収入を3億ドル増やしたマイクロコピー
通販サイトの小さな設計ミスから、年間300億円も損失が生まれていたらあなたはどうしますか?
これはある小売サイトで実際に起きたエピソードです。
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アメリカに、UIEというコンサルティングファームがあります。
この企業を率いているのは、ユーザビリティ(ウェブの使いやすさ)の専門家であるジャレッド・スプール氏。
彼はアメリカ最大級の通販サイトのコンサルティングを行なっていました。
その通販サイトには、下記のような「会員登録フォーム」がありました。
一見どこにでもよくある、シンプルな会員登録フォームですよね?
しかし、ジャレッドのチームがユーザーテスト使いやすさの調査を行い、お客さんにこのサイトで買い物をしてもらったところ、、、
この登録フォームのせいで、大勢のお客さんを苛立たせていたことがわかりました。
何が問題だったか・・・?
なんとこの通販サイトは、会員登録をしなければ商品が買えなかったんです。
実際にWebデータを解析してみると、この強制的な会員登録のせいで、半数以上の顧客が去っていたことがわかりました。
しかもこの調査を行うまで、毎日16万件のパスワードの問い合わせが発生していていたのです。
当時、ウェブサイトの設計を担当した人物が、
「2回目以降の買い物が楽になるだろう」
という勝手な思い込みで、会員登録を強制していたことが原因でした。
つまり何年もの間、この通販サイトは巨額の損失を被っていたのです。
これを受けて、ジャレッドのチームはどのように解決どうしたでしょうか・・・?
この強制的な会員登録をやめて、
『このサイトで買い物をするのに会員登録は必要ありません』
という一行のマイクロコピーを添えました。
するとどうでしょう・・・
通販サイトの売り上げは『45%』アップ。
わずか1ヶ月で、『13億円』の追加の売上げがありました。
そして、フォームを変えた初年度では、『300億円』もの売上げアップとなりました。
ここから私たちが学べる教訓は、「わずらわしい手続きは1つでも減らさねばならない」ということです。
それを裏付ける、こんなデータもあります。
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ある調査会社によると、世界のECサイトの平均カート放棄率・・・
いわゆる『カゴ落ち率』は、
なんと、68.81%と言われています。
つまり、商品代金の確認や、発送先の住所を入力している途中で・・・
およそ7割もの人が、何らかの理由で思い直したり、買うのをやめてしまうのです。
途中で買うのをやめた理由のトップ3がこちらでした↓
・手数料や送料などの追加コストが高い
・会員登録するのが面倒だった
・購入するまでのプロセスが長すぎる
実は、これらのカゴ落ちの理由は、マイクロコピーですべて解決できます。
例えば、あるソフトウェア販売会社では、
ショッピングカートの「支払い確認画面」に
こんなマイクロコピーを入れました。
『合計(ここから追加のコストは発生しません)』
後出しジャンケンで、送料や手数料を知らされるのは、誰だっていやなものです。
この企業は、このマイクロコピーをいれただけで、カゴ落ち率を下げることに成功し、
購入率をなんと11.30%も改善しました。
マイクロコピーってすごいですよね!
追伸:マイクロコピーを実践ですぐに使えるようになりたい方は、こちらもチエックしてみてくださいね。
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