10周年インタビュー パート2

株式会社オレコン・山本琢磨に10周年を記念してインタビュー

全3部作公開

10周年を記念して、株式会社オレコン 代表山本琢磨(以下ヤマタクさん)にインタビューの続きです。

オレコン設立から、成功談はもちろん失敗談も大公開! 10周年限定の初エピソードもあります。

 第2部 10年間を振り返っていただきましょう!

 

―― それでは、10年間の中で一番つらい時期はいつでしたか?

ヤマタクさん一番辛いっていうのは……実は常に辛いんですけどね。 スタッフさんが辞めてしまったり、離職・契約終了した時があるので、そういう時はやっぱり常に辛いですね。

 

―― なるほど。では、業績やお仕事の内容、お客様との時間で辛い時期はありましたか?

ヤマタクさん商標を持っているんでアイデアを取られたり、真似されたりということはなくて、むしろ色々な企業様からオファーとかいただいている状態なので業績やお仕事の内容で辛いということはありませんね。 

どちらかと言うと、立ち上げる前の方が実は辛かったです。 売上1億円持ち逃げされたり、そこから回収できたのは700万だけだったという時期もあってその時は本当に辛かったですけど。(苦笑) 

オレコンになってからの辛さは、お客さまが契約解除されてしまった時ですね。やっぱり効果がないって言われてやめられちゃう時は辛いです。 あとは人が集まらない時も辛くて、ゾワってします。 

――ゾワっと、ですか。最近そういうことがありましたか?

最近だとマーケティングチームがちらっと、『最近集まりづらくなっている』っていうことを言っているのを聞くと、『こわっ』と思うわけですよ。 それってライフタイムバリューで言うと半年とか1年後に影響してきたりするので、今集まりづらいってなると1年後とかは収益がなかったりすることもあって、 ものすごい勢いで売上が下がってしまいます。 

売上が下がってしまってから一生懸命売ったとしてももう遅く、効果出るのはさらに1年後ぐらいになるので、そういう現象は辛いというか、落ち込んでしまう感じですね。 その他はあんまり辛くないですね。 

皆さんのおかげで辛いことがなくて済んでます(笑) 本当にありがとうございます。 

―― それは良かったです。

 

 

―― スタッフが辞めること以外で辛いことがあまりないということは、オレコンに浸透している『失敗で落ち込むのではなく次に生かすというマインド』から来てるのかなと思うのですが、ヤマタクさんは昔からそのような考え方・マインドをお持ちだったのでしょうか?

ヤマタクさん『成功と失敗の二択』か、『失敗というのは成功に行く道の途中段階という風に考える』という二つの考え方があります。 

実は多くの人たちが成功と失敗は二つの分かれ道だと思っているんですね。 実際は失敗を繰り返していく中で、成功確率はどんどん上がっていきます。 これは失敗する選択肢を減らすからなんです。つまりABテストということです。 たくさんの失敗を繰り返せば繰り返すほど一番の真実が見つかって、むしろたくさん早くて小さい失敗もすることの方が正しいっていう風に僕は考えています。 

どの業界でもそうなんですが、実際に色々調べていくと、各業界でも利益が出て結果が出続けている企業さんってそのスピードがめちゃくちゃ速いんです。 スピードが速く、小さくやってうまくいったら投資を追加するっていう風になってます。

 

――なるほど。

―― でも起業時に失敗したら大変なことになるという考え方を持っている人が多いと思 いますが、どうお考えですか?

ヤマタクさん僕も最初やっぱり起業する時は、『失敗するのではないか』と怖かったですね。めちゃくちゃ大きな借金になってしまうんじゃないかとか。実際に起業前の方はこう考えてしまう方が多いです。 だけど、実際はそんなこともかけらもなくて、自分の会社なんで、自分でコントロールできます。 失敗しそうになったら、ブレーキは踏めるし、出費を止めることもできる。もちろん、それをただぼーっと眺めていると失敗となってしまいますが。 

ただ、これがどこかの会社に入ってしまうと、『やっぱり失敗しそうだな』とか、『これやばいんじゃない』とか思いながら結局放置しちゃうことがあるんですね。 

何かスローモーションの衝突事故を眺めているようだ、と言うんですけど、殆どの社員さんがそうなんですよ。 

『うちの会社のあそこやばいよね』とか思っているのって、それはもう横断歩道を渡っている人に、車が来ていることがスローモーションのように映っていて、『あれって絶対事故るよね』といった感じでみんな見てるようなものです。 

これは当事者意識を変えられるとも思っていないってことが結構多いんですけど、逆に僕はそれを利用してみて『これ全然大丈夫なんじゃないかな』みたいに変えてみます。 実際、世の中の現象はなるようにしかなっておらず、失敗も失敗すべくして失敗してしまったなという風に感じております。

 

 

 

―― では失敗してしまった時はどうしますか?

ヤマタクさんお客様が離脱してしまった時は、『ああ離脱するように接しちゃったな』という反省があります。

スタッフが辞めた時も辛いけど、これもスタッフが辞めるべくして辞めてしまったのだなと毎回感じながら改善するしかないんです。 

どうしても原因が分からない時は、アンケートを取ったりもしています。 

あと放置したり、チャレンジしないのも失敗ですね。これは100%の失敗になります。 でも100%の失敗をしたいかっていうと、そうではない。 手掛けた以上、何かしら絶対に得ないとという気持ちがあります。

 

―― 例えばどんなことがありますか?

ヤマタクさんそれこそさっきの一億持ち逃げされた時は回収できなかったけどそのままにすると滅茶苦茶失敗になってしまいます。 でも僕は商売人なんで転んでもただでは起きないんですよ。 

その時に思ったのが『僕の人を見る目が悪かった』ということですね。 

つまり脇が甘かった。例えばそれから一緒に事業をする方をどういう風な見方をするのか、また入金の経路とかも考えます。 損した9,000万以上のリターンを出す改善を行わないと、僕はいても立ってもいられない訳です。 

もう悔しくて辛くて、それがずっと解消されずにいます。 その改善案が分かると、それを今度は試したくてしょうがなくなるんです。その改善で9,000万以上の利益が出るのか確かめたくなります。 

こういう考え方はオレコンの採用にも勿論含まれるし、採用の面接とか試験とかにも改善反映されています。私たちが取引する企業様を選ぶ時の基準にもなっていたりします。 もちろん、部分的に見ると失敗に見えてしまうんですが、そこから得たものはとても大きいと感じています。 

結局コケたとしても失敗してもそれ以上のリターンが次に出ればもうイーブンでいいです。トータルでちゃんとリターンが出ていればそれでいいんです。

 

―― なるほど。それがヤマタクさんのマインドなんですね。 

ヤマタクさんこれって多分人生も一緒だと思います。 

どの時点が幸せかは人によって違いますが、統計的に見ると、死ぬ直前の方が最後に考えてしまうことは、やって失敗したことよりもやらなかったことを後悔してしまう、というデータを見ることがあります。 自分が死ぬ前のことを想像できてしまって、『それ今やっとけば良くない?』って思います。 

そうやってタイムマシーンで今に帰ってきて、自分は死の直前の自分がやりたかったことを今ちゃんとやってるかっていうところを振り返っていく必要があると常々思います。 

失敗が怖くなるのは、成功した人だけがクローズアップされ、メディアに取り上げられる一方で、 情報の偏りが発生してしまい、失敗した人のことが入ってこないからだと思うんですよね。 大事なのは失敗したあとにどう回復するかってことじゃないですか。

成功とか失敗とかは、そのタイミングではなくずっと続いていて、ずっと続くものをやらないといけないと思います。 

失敗を恐れず、自分がやりたいことに向かって努力し続けることが大切だと思います。そして、 自分が死の直前に後悔しないよう、常に自分自身を振り返り、やりたいことに向かって進んでいくことが大切だと思います。 

―― そうですね。 


―― では逆に、10年間で一番嬉しかった時期はいつですか? 

ヤマタクさん悪魔のウェブデザインから始まって、その後、マイクロコピーという概念が出てきて、10年経ってそれが大手の上場企業の経営者様に評価されたりしています。 

今になってそういう環境が整い始めてきたので、『やった』と、『狙い通り』っていう感じで嬉しかったですね。 他にも人事の制度でも他の企業さんに導入していただき結果が出てきており、まだ実験中ながら効果が出始めてます。ただみんながそこに追いつくのがいつになるのかな、と思ってはいます。 

そういうのをじわじわ感じてはいます。 他にもそういうことを感じることはあります。 

全部の成功を僕が生きてる間には享受できない可能性もあるんですけど、子供とか孫が成長して、日本で働く時にもっと楽しくてピュアな社会が出来上がってきている途中だという実感があるんです。 

 

―― つまりヤマタクさんが思い描いていたことが目に見えて効果が現れた時が、一 番嬉しかった時期になるということですね? 

ヤマタクさんそれは一つありますね。 あとはスタッフの成長も嬉しいですね。 

会社作っているスタッフさんとか、スタッフさんと一緒に新規立ち上げした事業の年商が10億を達成したとか、皆さんがちょっとずつ成長してちゃんと結果がついてくると、やっぱり嬉しいです。 

最初は皆さん何者でもなかったわけですよ。 僕だってそうです。僕は高校を中退して警備をやってましたからね。 

やっぱり何者でもない人たちが自分のやったことや、最後に気づいてちょっとずつ成長してい くっていうのは一番楽しくて、嬉しいです。 

 

―― それはオレコンのWill Can Mustが実現した日ということですね。 

ヤマタクさんそうですね。 僕自身のWill Can Mustがそれなんですよ。なので、それ自体が一つの結果として表れていたりするじゃないですか。それが楽しくて嬉しい。やっていてすごく良かったなと思います。 

お金って何やっても稼げるので、もう本当にしたいことを突き詰めてやっていった方が上手くいくんです。 道が外れにくいというか、充実していますよ。

 

 

ありがとうございます。 

次回はとうとう最終回です。 

これからの展望についてお伺いさせていただきます。

 

 

次回は4/13(木)更新予定です。お楽しみに