グロースハックとは?

グロースハックとは「企業の成長(=新規顧客の獲得)」に焦点を絞った戦略のこと。

少ない予算で短期間のうちに、大幅な成長を必要とするスタートアップ企業でよく使われます。
グロースハック戦略の目標は、できるだけ支出を抑えながら多くのユーザー(見込み顧客)を獲得することです。グロースハッキング(GrowthHacking)」という言葉自体は、2010年にGrowthHackersの創設者兼CEOであるSeanEllisによって造られました。

グロースハッカーとは?

グロースハッカーは、企業が少ない予算で顧客を獲得・維持するのを助けるために、お金をかけずに低コストな戦略を実行するスペシャリストのことです。

製品に精通したマーケティング担当者としてのスキルだけでなく、A/Bテストを成功させるためのクリエイティブなアイデアを出したり、分析的かつ高度な問題解決能力が要求されます。

グロースハックの起源は無料メールアドレスのHotmailから

グロースハックが世界に初めて認知されたのは、フリーのメールサービスであるHotmailがローンチされた1996年と言われています。今でこそGmailやYahoo!メールなどのフリーのメールアドレスが無数に存在しますが、1996年当時、ブラウザ上で扱える無料のアドレスはまだ新しく、テック業界の中でも革新的な存在でした。

ユーザーを獲得するための広告手法はまだ成熟しておらず、多くのWebサービスのマーケティング手法といえば、ラジオの広告枠や高速道路沿いのビルボード広告を購入するのがが主流でした。

そんな中、Hotmailの投資家の一人であるTim Draperはあるアイデアを思いつきました。何万ドルをマーケティングに費やす代わりに、E-mailのフッターに次のようなマイクロコピーを添えたのです。

『PS:アイ・ラブ・ユー:Hotmailで無料メールアカウントを作ろう』

この1行のコピーによりユーザーは飛躍的に拡大していきました。
・最初の1時間で100人が登録した
・一日平均/3000人の新規ユーザーがサインアップした

PS:アイ・ラブ・ユー

・創業者の1人であるBhatiaがインドの友人にHotmailを送ると、その後3週間で30万人のインド人ユーザーを獲得した
1997年当時、世界中で7000万人のインターネットユーザーしかいなかったことを考えると、そのうちの18%の1200万人がHotmailを使っていた計算になります。これこそが、驚くべきグロースハック戦略の効果です。

NetflixやDropboxにも流れるグロースハックの系譜

Hotmailのリリースから20年余り。今ではNetflixやDropbox、インスタグラムにAirbnbなど、あらゆるスタートアップ企業が創業期からグロースハック戦略を活用し、少ない予算でユーザーを獲得しています。

使える予算の少ないシリコンバレーのスタートアップ企業では「お金をかけずに」が合言葉です。サービスの価値を高めるWaiting(順番待ち)リスト、紹介の「バイラル」を生む招待制度、ソーシャルログインによってユーザー登録の手間を省く手法など、数多くのアイデアが生まれています。