なぜイメージ広告は衰退したか?

どうも、ヤマタクです。
 
知人が「ため息が出る広告」と言っていた、
時代とともに進化した資生堂スタイル
 
先駆者たちが築き上げたデザインの歴史。
商品を売らずに、信用を作る。
 
「資生堂」という会社としての格式を上げる広告。
 
これらの大きな画像やアートな映像「作品」は
イメージ広告と言われ、資生堂だけでなく多くの企業が
競って作っていた時期があった。
 
1980年代のアップルのTVCMなんてのもそれ。
 
これらのブランドイメージ広告も
 
広告の効果が計測しづらいため
徐々に予算が削られ、衰退し、
バブル期の気の迷いとして扱われ、
 
逆に通販のDMやTVの深夜番組など、
 
巷には
・計測し易い
・効果が見て分かる
・利益につながる
ダイレクトレスポンスなる
押し売り広告が溢れていった・・・。
  
しかし
これらのステキな広告たちも必ず復活する。
 
というか、すでに復活している。
 
アップルiPhone7のキャンペーン
アートだわぁ〜。
  
なぜ、アップルはアートな映像キャンペーンを再開したか?
  
リバイバルブーム?
歴史は繰り返すから?
もともとアートっぽい商品だから?
  
違う!!
 
「ブランド」がWEBとモバイルによって
より正確に計測できるようになったから。
 
しかも無料で!
 
TVの視聴率などではないし、売上の推移でもない。
それが「ブランド計測」3つの計測方法だ。
 
1.WEBやアプリでのアンケートによる広告想起率、ブランド認知度調査
 
2.オーガニック検索上昇率
・検索エンジンや動画サイト、地図、SNSでのブランドキーワード量の増減
 
3.接触頻度と行動
・動画やメディアそのものの表示とクリック回数増減
・ブランド接触後の2ヶ月間の検索、再来店、購入などの行動
 
これによってTVCMも計測され、
 
ただし、
効果が測定できて、さらに効果があったなら、、、が条件だ。
 
効果測定のないタダのアートは、
我々商売人にとってはゴミ以下だ。
 
効果が低いなら二度と使われない
作品はもちろんのこと、監督もコピーライターも
 
・ポエムみたいなキャッチコピーも
・アートな写真も
 
全て顧客に伝わって初めて意味がある。
顧客を動かしてこそ意味がある。
 
「感動」は数値に現れるようになった。
本当に小さな動きを捉えることで。
 
・SNSでシェアする
・スクリーンショットをとる
・クリックする
・コメントを入れる
・検索する
・もう一度ページを訪れる
・広告が見られた回数
 
この小さな行動を生むために
我々はどんな広告を作れば良いのだろうか?
 
もちろん、前回お伝えした
「トラストフォーマット」であること
は当然なんだけど、それと同じく、
  
「トラスト」を借りてくること。
  
それも我々後発企業はとても効果がある。
 
例えば、アップルも
シンク・ディファレントのキャンペーン
 
この動画、世界規模の著名人を使っている。
彼らの信用や信頼「トラスト」を借りている。
 
健康食品業界は、なぜ著名人を起用するのか?
 
大手企業が取り組んできた広告に
・有名な写真家や、
・有名なアートディレクター
・有名なコピーライター
を使う意味は何か?
 
そう「トラスト」を借りるため、だ。
 
しかし残念ながら、
もう名前だけではダメになってしまった。
 
・ブランドの数値計測が無料で出来るようになった
・佐野デザイナーの盗作のようにすぐに調べられるようになった
・タレントごとのトラストがフォロワーや検索数の数値になった
 
個人の影響力や著名さ、信用ですらも、
高感度ランキングやトレンドなんて恣意的なものではなく、
その個人の名前や、発言によって
 
「どんな行動が起きたか」の数値で表現されたからだ。
 
ナントカ賞よりも、フォロワー数のほうが意味を持つようになった。
だれか限られた玄人の評価より、
身近な人の評価の方を知りたいのだ。
 
S7という航空会社は、ただ有名なアーテイストを起用するのではなく
youtubeで再生回数の多いミュージシャン「OK Go」を使った。
  
結果:
ネットや雑誌など500以上のメディアに露出し、
公開初日で2500万再生、1ヶ月で5000万再生
S7航空のFacebookとInstagramのビュー数40%UP
 
なんとOK GoのFacebookのビュー数は35%UP
Instagramは60%もUPした。
 
つまり今、広告に使われるのは、
「とても有名な人」ではない。
「顧客にとって身近な、人から信用されている著名人」なのだ。
 
サムスンは
・ユーチューバー

・ドローン
を使って、ゲレンデを逆走し空を飛ぶプロモーションを作った。
 
公開初日に再生回数約400万、
今では858万再生。
サムスンのドローンは安全で、重いものでも持ち上げられると
信用させることに成功した。
 
アルゼンチンのビール会社キルメスは
従業員がミスした動画が有名になったのを使って、
6500万円分の広告に変え、
ミスした従業員をも大切にする
信用に足る会社だと思わせることに成功した。
 
行動させる数字を持っている人は有名人に限らない。
 
・ユーチューバー
・流行りのモノ
・従業員
 
彼らの持ってる、顧客を動かす力を
会社の「トラスト」にどう繋げるのか?
 
これこそが、僕達が使えるイメージ広告だ。
 
まとめ:
資生堂の「アートなイメージ広告」が衰退し、
最近アップルで「イメージ広告」が復活したのも
ユーチューバーの「素人動画」や「バイラル動画」も
 
同じくお客様を感動させた結果、企業や商品を
「信用させ」行動につなげていた。
 
検索したりクリックしたり再アクセスしたり
シェアしたりフォローしたりいいねしたり
顧客の行動はどんどん変わっていってる、
 
あなたはアートなイメージか、トラストに変わるイメージ
どちらの広告が打ちたいだろうか?

  
ーヤマタク

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